戸建住宅で間取りを検討する際に見るべきポイントBEST3

家族が集まりやすい居間を中心とした間取り

戸建住宅においては居間が重要な意味を持ちます。戦後の住宅は家族が個人個人で生活するための個室を多く配置する間取りが主流でした。生活を機能別に分け、それぞれの機能ごとに専用の部屋を用意する方法です。キッチンは主婦が料理をつくるだけの場所で、ダイニングはテーブルが置かれて食事の時だけ使います。子供は食事が済むと一家団欒もほどほどに子供部屋に引きこもってしまう生活を想定した間取りが流行しました。しかし、多くの家庭では想定していたような部屋の使い方はせずに、家族がなんとなく居間で過ごす時間が多い生活を送っていることが知られるようになりました。現在は、家族が一時的にしか使わない個室のスペースを減らし、家族が集える居間を中心とした設計が求められています。間取りが自由になる戸建住宅は居間の空間を充実させることがポイントになります。居間の中心は一家の主人が陣取るスペースとし、簡単なデスクや収納を備え付けると使いやすいものになります。キッチンは居間と離さずに居間から見える範囲に配置することで、主婦は食事をつくりながらでも家族と話をすることができます。子供が居間で勉強できるようなコーナーを片隅に作ると、親は子供の様子を常に確認することができます。


廻ることができる間取りの住宅

戸建住宅には生活しやすい間取りを造るためのポイントがあります。家の一つの場所に行くために、二つ以上のルートがとれるような、廻ることができる間取りとすることで生活が楽しくなります。廻ることができるためには南側に広縁を設置したり、中廊下や部屋へ設ける扉の工夫で造ることができます。一軒無駄なスペースに思える広縁は動線の確保以外にも重要な意味を持ちます。木造住宅の場合は建物の前と後に下屋と呼ばれる突き出した部分を設けると母屋を両側から支えることができ、構造上丈夫になります。地震の多いわが国の木造建築では古くから取りいれられてきた工法で、重要な耐震要素として考えられます。中廊下を設ける場合は採光に注意が必要です。1階部分に中廊下を設けると窓の無い暗い廊下になりがちです。廊下の途中に明かり庭を設けるなど採光をとるための工夫が必要です。北側にキッチンから続く洗濯室・洗面所・浴室などの水廻りを設け、通り抜けができるようにするのも一つの方法です。2階がある場合は大きな住宅ではない限り階段二つは取りにくいものですが、階段とは反対側に階段とは見なされないはしごのような昇り段を設けると、立体的に家の中を廻ることができます。


将来の計画を盛り込んだ間取り

戸建住宅は現在の家族の生活を中心とした間取りとしてしまいがちですが、人はだれでも歳をとるので、老後のことも考えた間取りにしておきたいものです。現在の生活では必要がなくても、将来老人室として使える離れを造っておくと安心です。高齢になると階段の上り下りが大変になるので、できれば1階に配置します。ベッド或はフトンを敷いたままにでき、来客等があっても見えないような位置が最適です。近くに簡単なミニキッチンやトイレがあるといっそう使いやすいものになります。子供室は人数分を完全に仕切るのではなく、大部屋として簡易的に仕切れる造りとしておくことで、将来の変化に対応できます。敷地に余裕があれば、将来、増築できるスペースをつくっておくと重宝します。新築の段階から将来増築を想定していることを設計者に伝え、案を作成しておくと良いでしょう。住宅の居室は採光などが必要となるため、どこへでも増築できるわけではありません。初めから増築できるスペースを設計に盛り込んでおくことで、将来の生活を幅の広いものにすることができます。定年後に何らかの事業を行う場合は、道路から近い部分に作業場のようなものを設けておくのも良いでしょう。

  • 最終更新:2016-05-11 16:48:35

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